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【Fビレッジ】クボタの農業学習施設 最先端技術を公開 北広アスパラ生産者も視察

2023/04/14 19:19
行政・産業 教育・福祉

 農業機械のクボタは4月14日、北海道ボールパークFビレッジ(北広島市)に開設した農業学習施設KUBOTA AGRI FRONTで、パートナー企業の最先端技術を報道公開しました。地元北広島市のアスパラガス生産推進協議会のメンバーも視察に訪れ、人工光型植物工場や環境モニタ稟議システム、AI潅水施肥システム、自律走行型農薬散布ロボットなどに目を見張りました。

担当者から説明を聞く野村幸宏会長(左端)ら北広島市アスパラガス生産推進協議会のメンバー

 公開されたのはTECH LABと名付けられたエリア。プランテックスの人工光型植物工場では、リーフレタスの苗をロボットが密閉型栽培装置に自動搬送。栽培室だけでなく装置自体を密閉したのは世界初で、有害付着物のない緻密で高度な環境制御により野菜本来の風味と成分を保ちます。

 気候変動に強く、水や肥料の使用量を抑えることができ、省スペース栽培のため消費地への輸送距離を短縮できる強みもあります。担当者は「国内外から注目されるFビレッジから発信したい」と意気込みを表していました。

 Farmo(ファーモ)の環境モニタリングシステムは、ハウスの温度や湿度などの環境情報を見える化。従来はハウスに入らなければ分からなかった温度などのデータをセンサーで収集、クラウドに蓄積し、どこにいてもスマートフォンで確認することができます。

農作物の栽培環境を“先回り”的に管理し「収量と品質を向上させることができる」と評判に。最先端でありながらシンプルで身近さが特長の、全国で加速度的に普及が進む実用的な技術です。国内ではイチゴやトマト、ニラ、キュウリ、きのこ栽培に導入され、TECH LABではアスパラガス栽培に活用します。

 ルートレック・ネットワークスのAI潅水施肥システムは、その名の通りAIが算出した最適な水量・施肥量を自動供給します。収量と品質はもちろん、水と化学肥料の使用量を抑制し土壌劣化や地下水汚染、温室効果ガス排出を防ぐことに貢献します。

 従来、経験と勘に頼ってきた部分をセンサーの情報をもとに管理。データを蓄積することで世代を超えて引きついていくことができます。TECH LABのアスパラガスとイチゴ栽培で導入しています。

 レグミンの自律走行型農薬散布ロボットは、省力化と安全確保に貢献。適正量の管理と二酸化炭素排出量の低減にも効果があります。2018年、埼玉県深谷市で創業し「深谷ねぎ」、ブロッコリー、キャベツ農家に各種の技術を提供しています。

 視察に訪れた北広島市アスパラガス生産推進協議会の野村幸宏会長は「トマトもいちごも興味深い。生活の一部となったスマホを活用する農業になっていく。われわれの経験と最先端技術を合わせてより良い農業を作っていければ」と話していました。

 KUBOTA AGRI FRONTは6月30日グランドオープン。小学校高学年を中心に活発な学習体験が展開されそうです。