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完成後のイメージ(南幌町ホームページから)

子ども室内遊戯施設「はれっぱ」 南幌町に5月オープン 「育てる喜び、育む幸せ」掲げ移住誘致に弾み

2023/01/21 00:57
行政・産業 くらし

 北海道南幌町中央公園多目的広場に2023年5月、子ども室内遊戯施設がオープンします。愛称は「はれっぱ」。地元南幌小学校の児童が「晴れた日の原っぱで遊ぶ様子をイメージして考えた」という作品が採用されました。

 遊戯・交流・体験の3エリアに分かれ、遊戯エリアは木のぬくもりと自然な質感に親しむ「木育エリア」、ボーネルンドの幼児・児童向け遊具が設置される「アクティブ・パークエリア」からなります。ボーネルンドは、北広島市にある北海道ボールパークFビレッジの遊具設計でも有名になりました。

開放感ある平屋建ての造り。交流・体験エリアにはカフェスペースも設けます。

 「はれっぱ」を核に公園全体の整備計画も進みます。大型の滑り台を新設するほか水遊び場、サイクリングロード、パークゴルフ場など。目指すのは「子どもたちの笑顔を育み“ひと”と“まち”“公園”を育てる交流拠点」です。

 

子育て世代の移住進む 各種助成金に魅力

子育て世代住宅建築助成の対象となっている南幌町みどり野きた住まいるヴィレッジの家並み(南幌町ホームページから)

■家を建てる

 南幌町では、中央公園のある美園地区をはじめとする4地区で、北海道住宅供給公社が事業主体となって大規模な宅地造成・分譲が進められています。

 販売を促進し、町の人口減少に歯止めをかけようと町は2016(平成28)年度、子育て支援として最大200万円の住宅建築助成金制度を創設。公社と協力し宅地価格50%オフを実施してきました。事業の周知も進み、2000年代前半(平成半ば)以降低迷していた販売実績が好転。2020(令和2)年3月までだった制度を2024(令和5)年3月まで延長継続することにしました。

 最大200万円の建築助成と宅地価格50%オフを合わせると、実質的な土地購入費は100万円未満か0円に近くなり、建物への構想を広げることができます。

 町と公社、北海道、建築家協会が共同で進めるまちづくり「南幌町みどり野きた住まいるヴィレッジ」は、道内の気鋭建築家によるデザインと地域に密着する工務店の技術を調和させた北海道らしい「北方型住宅2020」を提供。大人気のうちにほぼ完売しました。

 町まちづくり課地域振興グループの北嶋宏光主事によると、減少の一途だった町の人口は202021(令和2~3)年に社会増(転入が転出を上回ること)となり、2022(令和4)年7月以降現在まで自然増(出生が死亡を上回ること。人口の増加)で推移しています。

 

■子育てする

 移住者にとっての魅力は、建築費助成と土地価格割引だけではありません。高校生までの医療費全額補助(町内外の医療機関対象)、自宅から町外の高校への通学費最大1万円助成、地元食材を使った学校給食の米・麺・パン代全額補助、年10㌔の「子育て支援米(町内産)」など充実した子育て支援が挙げられます。

 「これらの施策が実を結び、人口が増えた」と北嶋主査は話します。

 

■地の利

 移住家族の4割が元札幌市民。ほか6割も近郊住民だった人たちです。勤労世代がほとんどで、職場を変えずに通えて地価の安い南幌を選択したとみられます。2024(令和6)年度には道央圏連絡道路の「南幌ランプ(仮称)」と道央道江別東インターチェンジを接続する「中樹林道路」が完成する予定です。次に南幌・長沼間が完成すれば、小樽―千歳を結ぶ高規格道路となり、南幌からのアクセス利便性が格段に上がります。

 

■移住体験

 移住の決断は簡単ではありません。町は2023(令和5)年4月、移住体験用新築住宅の供用を始めます。高気密・高性能の「北方型住宅2020」基準を満たした体験住宅への入居者は、各種支援を受けられます。

 

 2024(令和6)年からは「脱炭素・自然エネルギー利用」を掲げた住まいとまちづくりを、町と道、住宅供給公社が協力して進める計画で、特色ある移住促進事業の成果が今後も注目されます。